学校のいじめ問題の相談|弁護士 岩本尚光|学校・教育委員会への対応から加害者側への請求まで
損害賠償の目安
いじめの被害で、加害者側や学校にどんな請求ができるのか、慰謝料はどのくらいの幅なのか。金額は事案で大きく変わるため言い切れませんが、考え方の枠組みと目安の幅を解説します。請求がお子さんに与える負担も含めて、進めるかどうかを考える材料にしてください。
Worriesこんな疑問にお答えします
治療費やカウンセリング代は請求できるのか
いじめが原因で生じた費用は、相当な範囲で請求の対象になります。領収書と、いじめとの関係が分かる診断書があると整理しやすくなります。
慰謝料の相場はいくらか
数十万円から数百万円の幅があり、けがの程度・期間・後遺症・不登校の期間・加害行為の態様で変わります。「相場」と言える一つの数字はありません。
学校にも請求できるのか
学校がいじめを予見できたのに防ぐ措置を取らなかった(安全配慮義務違反)と言える場合に、請求が認められることがあります。要件があります。
請求して子どもは大丈夫か
請求はお子さんの回復のために行うものです。負担のほうが大きいなら、時期を待つ、請求しないという選択もあります。
Items請求できる項目
治療費・通院交通費
けがの治療費、心療内科・児童精神科の受診費用、通院の交通費。健康保険を使ったあとの自己負担分が対象になります。領収書を保管します。
カウンセリング費用
民間のカウンセリングを受けた費用も、医師の助言にもとづくなど、いじめの被害との関係が整理できれば請求の対象になることがあります。
転校にかかった費用
転校先への通学交通費の増加分、制服や教材の買い替え、引っ越しの費用など。いじめが原因で転校せざるを得なかったことが前提になります。
付添いの休業損害
通院や登下校の付添い、学校との面談のために保護者が仕事を休んだ分。勤務先の休業証明や給与明細で示します。認められる範囲は事案で変わります。
慰謝料
お子さんの精神的な苦痛に対する賠償です。けがの程度・期間、後遺症、不登校の期間、加害行為の態様・期間・人数などを総合して決まります。
弁護士費用の一部
訴訟で認められた金額の1割程度を弁護士費用として加算する扱いが一般的です。交渉や調停では含まれないことが多いです。

Range慰謝料の目安の幅
- いじめの慰謝料は、数十万円から数百万円の幅で、けがの程度・期間・後遺症・不登校の期間・加害行為の態様で変わります。交通事故のような基準表はなく、裁判所が個々の事情を見て決めます。
- 裁判例では、軽い暴行や嫌がらせで数十万円、長期の不登校や転校を余儀なくされた場合、PTSDなどの診断がある場合に百万円単位の慰謝料が認められた例があります。同じような事実でも金額が異なることはあり、事案で変わります。
- 交渉や調停では、早期の解決のために双方が歩み寄ることもあります。相手の個人賠償責任保険の有無も、現実の回収に影響します。
- 金額の見通しは、診断書・記録・学校の調査報告書を見たうえでお伝えします。この段落の数字は目安で、お約束するものではありません。
School学校への請求が認められる条件
安全配慮義務違反が必要
学校には子どもの安全を守る義務(安全配慮義務)があります。請求が認められるには、学校がいじめを予見できたこと(予見可能性)と、措置を取れば被害を防げたこと(結果回避可能性)の両方が必要です。保護者が学校に伝えた日付と内容の記録が、予見可能性の中心的な証拠になります。
公立と私立で根拠が異なる
公立学校は国家賠償法1条で、設置者である市町村・都道府県に請求します(教員個人には請求できません)。私立学校は在学契約上の安全配慮義務違反(民法415条)または民法715条で学校法人に請求します。
加害者側への請求との関係
加害の子ども・保護者への請求(民法709条・714条)と学校への請求は、同時にも別々にもできます。どちらにするかは、証拠の状況とお子さんの負担で決めます。
Settle相手の保険・示談書・時効
個人賠償責任保険
加害者側の保護者が自動車保険・火災保険・共済などに付けている個人賠償責任保険から支払われることが多く、保険会社との交渉になることもあります。故意の加害行為は対象外とする約款もあり、適用の有無は保険会社の判断になります。
示談書の内容
謝罪、金額と支払い方法、接触やSNS投稿の禁止、再発時の取り決め、清算条項。治療が終わる前に清算条項を入れると追加請求が難しくなるため、時期を見て結びます。
時効は3年、身体への被害は5年
損害と加害者を知ったときから3年で時効になりますが、けがや心身の不調など生命・身体への被害については5年です(民法724条・724条の2)。時効の前でも、時間がたつと証拠が集めにくくなります。
子どもへの負担を考える
請求には、事実を文書にし、場合によっては調停・訴訟で説明する過程があります。過去を思い出すことがつらい時期なら、記録と診断書を整えて時期を待つことも選択肢です。
Fee費用
- 保護者の初回相談は60分無料です(2回目以降は30分5,500円・税込)。費用はご依頼の前に書面でお示しします。
- 弁護士が、学校・教育委員会への対応、加害者側への請求、ネットいじめ、転校・不登校の手続きまでを一つの窓口で扱います。
Caseよくある事例
中学1年生、殴られて通院し、3か月の不登校になった
静岡県内の中学校に通うお子さんの保護者からのご相談。同級生から殴られて顔に打撲を負い、その後も悪口が続いたため、約3か月登校できませんでした。保護者は診断書と記録を整え、弁護士が加害の子どもの保護者に対して、治療費・通院交通費・カウンセリング費用・付添いの休業損害・慰謝料を請求する通知書を送りました。相手の個人賠償責任保険の保険会社との交渉を経て、治療が終わった時点で接触禁止と清算条項を含む示談書を結びました。
※よくあるご相談をもとに構成したもので、特定の実際の事件ではありません。
FAQよくある質問
慰謝料はいくらになりますか
加害者側の親に請求できますか
学校にも請求できますか
示談書には何を書きますか
請求すると、子どもが学校で不利になりませんか
いつまでに請求すればよいですか
請求できるかどうか、進めるかどうかから一緒に考えます
診断書、領収書、記録、学校からの書面をお手元に。金額の見通しと、お子さんへの負担の両方をお伝えします。保護者の初回相談は60分無料です(2回目以降は30分5,500円・税込)。費用はご依頼の前に書面でお示しします。
保護者の初回相談は60分無料です(2回目以降は30分5,500円・税込)。費用はご依頼の前に書面でお示しし、法テラスや弁護士費用特約(日常生活の特約)が使える場合もあります。事務所:静岡市葵区伝馬町9-7 塚本ビル5階A(JR静岡駅から徒歩約5分)。ご相談は予約制で、来所・オンライン(Zoom)・電話のどれでも。夜間・土日の予約もできます。お子さんの同席は、お子さんの気持ちを優先して決めます。
弁護士・税理士 岩本尚光(弁護士法人HOPE法律事務所/静岡県弁護士会/税理士登録)|事務所:〒420-0858 静岡県静岡市葵区伝馬町9-7 塚本ビル5階A(JR静岡駅から徒歩約5分)|対応:静岡県全域(静岡市・浜松市・沼津市・富士市ほか)、オンラインで全国